2020/06/22 15:16

勉強することを嫌がるようになる原因の一つに「書くことを嫌がる」ということがあげられます。教科の学習はどうしても書くことが多くなります。学習内容が理解できていたとしても、ノートやプリントに書かなければいけなくなると、やる気もなくなってきます。また、うまく書けなくて消しゴムで消そうとすると、それもうまくいかなくて紙がぐちゃぐちゃ。ますます勉強が嫌になってしまうでしょう。

 書くことが苦手な場合、練習不足や態度の問題にされることがありますが、多くの場合はもともともっている手先の使い方、形をとらえることの苦手さが原因です。これについては、改善に向けたいろいろな対応の仕方がありますが、すぐにできるものとして、文房具を使って「書きやすくする工夫」や「書きたくなる工夫」をすることがあげられます。

 例えば、鉛筆。よく見かける鉛筆は、断面が六角形ですが、断面が三角形になっているものもあります。これは、指先が鉛筆の形状にフィットしやすく持ちやすくなり書きやすくなります。また、通常のものより太目の鉛筆、滑り止めのゴムを巻きつけた鉛筆など、書きやすくする工夫をされたてものが、いろいろなメーカーから様々な種類のものが市販されています。

 手先の操作に苦手さがあると、コンパス、定規、分度器、はさみなどの扱いも苦手になることがあります。すると、やはり学習へのモチベーションが高まりません。最近では、使いやすく工夫されたものが次々に販売されています。回しやすいコンパス「くるんパス」もそのひとつです。

大型雑貨店の文房具コーナーや文房具専門店などで、使いやすく工夫された文房具を見つけてみるのもいいでしょう。

文:東京都小学校指導教諭(特別支援)