2020/08/12 22:12

 ◎「何歳までに外国語の学習を始めたほうがよい」「何歳までに自転車に乗れるよう になっていなければいけない」、或いは、「速く走れるようになるかどうかは、何歳 までの生活スタイルで決まる」など、子供の成長のために「何歳までに~をしなけ ればいけない」という情報があふれています。 


◎すると大人は、これを成長のための「ノルマ」のように感じて、「〇〇歳なのに、 まだできていない」と焦る気持ちが強くなり、子供に無理強いをさせたり、大きな 負担をかけたりして、かえって逆効果になることも多いようです。

 ◎この「何歳までに」というのは、長年の研究、調査や様々なデーターによる平均値 や基準値です。でも、「平均的な子供」などいるでしょうか。子供たちは全員、一 人一人違う「個性」と「独自の育ち方」をもっています。「平均的な子供」などい ません。育ち方が平均値や基準値通りにならないことも多いです。

 ◎大切なことは、平均値や基準値に近づこうと無理するのではなく、子供たち一人一 人を「世界に一つだけの」かけがえのない存在ととらえ、これまでの成長過程、日々 の生活、興味関心の様子から、子供の個性、独自の育ち方、発達の特徴を理解しよ うとすることです。

 ◎一人一人の子供の育ちの理解は、手探り状態になったり、試行錯誤を繰り返したり、 或いは、誰かに相談しながらになるかもしれません。また、時には、その子なりの 成長をじっと待つことがあるかもしれません。でも、子供たちのもつ可能性は計り 知れません。「世界に一つだけ」の個性が「世界に一つだけの花」として咲くよう に、「世界で一つだけ」の育ちを応援したいです。