2020/08/31 23:16

◎私が幼い頃、「一年生になったら♪ 一年生になったら♪ 友達 100 人できるかな♪」という歌があ りました(今でもあるようですね)。

「友達を 100 人作りましょう」 とキャンペーンにしている学校もあります。子供同士の関わり合いを大切にし、「みんな一緒に」「みんな仲良し」「みんなで力を合わせて」を強調し、あらゆる 活動で子供同士の関わり合いを取り入れているようです。 

◎そのことは、確かに大事なことで、子供たちの成長にとって必要なことです。しかし、このことで困惑 している子供がいることを忘れてはいけないと思います。 「大勢の人といるよりも、少しの人数で関わる方が好き」 「誰とでもお話をしなくてはいけないのは、つらい。何を話したらよいかわからない」 「一人でいる時間のほうが好き」 「友達とかかわってみたいけど、どのように声をかけたらよいかわからない」 などです。どのように対人関係をつくっていくかは、性格、心、態度の問題にされたりしやすいですが、 実は「泳ぎが得意、苦手」「算数が好き、嫌い」などのように個人差がとても大きいものなのです。だ から、対人関係のつくり方も、人それぞれ大きく違ってきます。

 ◎だから、友達の数が 100 人いる人がいてもいいし、3 人の人がいてもいいと思います。みんなで思い っきり体を動かして、にぎやかに遊ぶことが好きな人もいれば、静かに過ごすことが好きという人がい てもいいと思います。一律に「休み時間は、外でみんなで元気に遊びなさい!」ではなく、本を読んで 過ごす時間を確保してあげることが必要な子供がいるのです。

 ◎「学校では付き合うが、放課後は遊ばない」「ふだんは遊ばないが、グループ学習や体育の時などは、 よく助けてくれる」など、いろいろな関わり方があってもいいと思います。 

◎ここで、忘れてはいけないことが、一人で静かに過ごすことが好きと言っている子供の中には、実は友 達と関わりたいと思っているケースが非常に多いです。その場合には、大人が出会いや関わりの場をさ りげなくセッティングしてあげるのもいいでしょう。

 ・関わり方は人それぞれ ・自分なりの心地よさで ・時には大人が場をセッティング