2020/09/04 09:49

 ◎ ふだんは勉強することが嫌いな子供が、頑張って学習課題を仕上げると、私たち 大人はとても嬉しくなります。そして、「もっとやらせれば、もっとできるように なるかもしれない」「もっと難しい課題をやらせて、もっと力を伸ばしてあげたい」 と思い、さっそく課題の量を上乗せしたり、次の難易度のステップの課題を追加 させたりすることがあります。子供の成長を願う気持ちはよくわかりますが、実 はここが誰もが陥りやすい“落とし穴”です。


 ◎ 「頑張って頂上までやっとたどり着いて、ホッとしたと思ったら、まだその先に 頂上があった…」。これでは気持ちが落ち込み、意欲も失くしてしまうかもしれま せん。学力を高めたり、何かをできるようになったりするためには、一度にたく さん頑張らせて心身を消耗させるよりは、少しずつでも努力や意欲を継続させる ほうが、「力」として蓄えられます。 

具体的な手立てとして(特に勉強することを嫌がっているケースでは)
 ◇あらかじめ学習する分量や範囲をはっきり決めておくこと。(ゴールを決 めておくこと)どれくらい頑張ったらよいか見通しがあったほうが、意欲 をもちやすい。 
◇余力があっても、時間が余っても、はじめに決めたとおりに終わりにする こと。
 ◇「できた!」「やった!」という達成感で締めくくること。
 ◇「ぼく、もっとできるよ」と、余力を残したところで終ると、次回につな がりやすい。 

                                             文:東京都小学校指導教諭(特別支援)